第2回「販売士討論会」開催報告
HAPU(ハープ)メンバー
財津永量・菅原資子・加藤眞由美・安則久雄・岸本徹也
平成16年10月23日(土)東京商工会議所402会議室において第2回「販売士討論会」を開催いたしました。今回の討論会では昨年の第1回討論会以降、新たに発足した「販売士のパワーアップを図ろう会HAPU(ハープ)」で検討された内容の中から、今回の議題を
◆1◆基本的・理論的テーマ……「流通と小売販売との違い」
◆2◆新ニーズに対応し得るノウハウ……「個人情報の保護」「ICタグについて」
◆3◆実践応用事例……「営業に特化したタスクフォース」提案
として討論が行われました。
当日は17名の参加者があり、小柳会長の挨拶に続き、司会(菅原)からこれまでの経過説明があった後、コメンテーター(・1財津・2岸本・3安則)が順次内容説明を行い、それぞれこれからの販売士のあり方や進め方について深く踏みこんだ検討内容が発表されました。これに対し、今回積極的に討論に参加したベテランのメンバーと新規に販売士になった若い世代のメンバーが活発な意見をぶつけ合い、討論会らしい手応えのある有意義な会合を持つことが出来ました。
次に各テーマの趣旨および参加者の意見を紹介します。
1.「流通と小売業との違い」
●荒川線沿線商店街を回って見て、商店街がそれぞれ自分達の街としてのゆったりとした安らぎと共棲、人間同士の心の触れ合いを大切にした独自の持ち味が醸成されており、小売業の良さを感じた。
●大量消費を実現した量産・量販に寄与している流通は物の流れが中心だが、人対人で物を売っていくのが小売業である。流通業の方に向き過ぎた小売業のため、顧客が納得し欲するもの(規格化されない)と売る側とのギャップが拡大して来ている。
●一代で財を築いた成功者の話として「商い(あきない)」とは物売でも品売でもない。自分自身を売ることである。ストレートに売る話をせず、人間同士知り合って信頼感が生まれた時に仕事の話をし、成約に繋げ、絶対売る!との信念と粘りだ!」というものがある。
●サービスのあり方も「お得がサービス」の時代から「顧客の気持ちや思いを大事にするサービス」へ変化しており、基本的サービスに人間サービスをプラスした商品プロ、接客プロの時代に入って来ている。
●小売業に従事する人材が不足しているため、複数接客をすることが難しく、膨大な商品の把握をすることが難しくなっている。
●コミュニケーション等の言葉とか理屈だけが一人歩きしている現状。商売は人で成り立っており、売る以上は商品のことを客以上に知るのは当たり前であり、顧客を知ることと相手を大切にする心が大切である。
●コミュニケーションは「挨拶」から。(有難う、如何ですか等々の挨拶をさわやかに)
●小売りは流通の一手段であり、IT時代のシステム化で人が疎外され勝ちだが、顧客感情を無視しては商売は成り立たない。
●相手を好きになることがコミュニケーションの原点だ。
等々活発な意見のやり取りがありました。
2.「個人情報の保護」「ICタグについて」
整理良くまとめられた配布資料で判り易く説明されました。
・ジャパネット高田とヤフーBBの顧客情報流出対応の違い(66万人分データと460万人)
・個人保護法の概要
・保護法制度の背景
・個人情報保護を巡る自治体・業界の動き
・保護法の体系
・対象となる個人情報と企業(5千件以上)
・個人情報とは
・個人情報保護法での事業者の義務(委託先の監督が重要)
・事業者の今後の対策
・ICタブ(RFID)の基本的なしくみ
・ICタブの特徴
・ICタブの活用事例
・プライバシー保護に関する情報
・ICタブの海外における取り組み状況
・我が国におけるICタブを使った物流実験<小売業の皆様への紹介>
・RDS(流通POSデータベースサービス)
参加小売業募集の案内―今後、協力なツールになる提案―
上記はこれからのテーマであり、中味と実態について熱心な討論が交わされた。
●経営者側も罰則が厳しくなる。徹底したマニュアル作り 各従業員に周知徹底
●会社だけでなく業界に広げて行くべきである。
●来年4月より法律が施工される。販売士も勉強し、企業に徹底させていくことが必要。
●コンプラインス(企業倫理)の浸透の度合いで対処が変わって来ることも留意すべき。
3.「営業に特化したタスクフォース」提案
販売士は単に作り出された数字をもとに仕事をするのでなく、「どのように創り出していくかが使命である」と考えて取り組んだ内容について紹介、販売士のあり方について提案した。
1.資格「販売士」の持つ特徴
2.現場を知り、改善策を考える
3.調査……「個別店を活性化する」
4.「乾物屋」に注目した
5.「営業に特化したタスクホース」に携わる人材の育成が急務
6.「タスクホース」の重要決定事項
7.契約期間終了後、タスクフォースと販売先との業務はエリヤサービスフレップに移管
大変ポイントをついた力強い提案であるが、この提案を実現するためには、相手先のお店にはお店なりのポリシーや人間のつながりがあって経営を行っているので、相手の方と充分に話し合いをすることが大切である。
●討論会は予定通り盛況裡に終了し、引き続き懇親会を行いました。司会(加藤)の進行で小人数のためか、お互いを良く知り合う機会を持つ事が出来、先程までの真剣な討議とは異なり、和気藹々の交流が見られました。最後は今後の販売士のパワーアップされた活躍を祈念した一本締めで盛り上がり、次回を期して一同散会しました。
● 討論会アンケート結果(有効回答数13通)
- ◆討論会の企画について◆
- 良かった(9) 普通(4)
- ◆討論の内容について◆
- 良かった(4) 普通(9)
- ◆所要時間について◆
- 良かった(4) 普通(3) 短かった(6)
- ◆実施日について◆
- 土・日が良い(10) 平日が良い(3)
- ◆良かった点・改善すべき点◆
- ・活発な意見が多く出て良かった。全員から発言があり、色々な意見があって参考になる。
・若い人の話しをもっと聞きたかった。
・テーマは一つに絞ってその分、回数を増やした方がいいのでは。時間が足りない。
・発言者の背景がわかると発言に説得力があると思う。