平成16年度商業施設「COREDO日本橋」視察会報告
東京販売士協会 常任理事 加藤 真由美
再開発事業が著しい東京において、中央区日本橋一丁目の東急百貨店日本橋店跡地に開発を進めてきた「日本橋ビルディング」は、南北に商業集積である中央通りが、また東西には金融集積である永代通りが通っている。
◆1◆伝統と歴史ある商業街にふさわしい、賑わいの再生、創出
◆2◆世界的な金融系企業の本社に耐えうるような、先進的で高品質なオフィスの提供を開発コンセプトに建設された、地上20階地下4階建てと地上2階地下2階建て(アネックス)のオフィス・商業等の用途からなる複合ビルである。
日本橋エリアは、官・民ならびに地元が一体となって、活性化を図るための活動が積極的に進められている。新しいビルがなかったこの地区に六本木、丸の内等同様、世界的な企業の誘致が可能な「日本橋ビルディング」が誕生したことは、このエリアの活性化が一段と進んでいくものと確信する。
新しいランドマークとなる「日本橋ビルディング」は、外観デザインを六本木ヒルズも設計したコーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツのプリンシパル・チーフ・デザイナーであるウィリアム・ペダーセン氏が担当。透明感あふれるガラスやアルミといった素材が先進性を、石による重厚な風格は伝統を表現している。特に、南面の複層ガラスによる弓形ファサードは、日本橋活性化の象徴となるよう“明日に向かって出帆する船の帆”をイメージしている。今回、視察をした商業施設「COREDO日本橋」は、「日本橋ビルディング」の地下1階から4階部分を指す。
施設のテーマが“時を越えて”の「COREDO日本橋」は、今年、3月30日にグランドオープン。百貨店や老舗名店に象徴される日本橋の商業の伝統を活かしつつ、現代風にアレンジしているのが特徴で、衣・食・住・遊の生活シーン全般に日本橋らしさ、すなわち地域との一体化(共存共栄)と商品、サービスともに質にこだわりをもったオンリーワンショップや新業態等を含んだ個性的で魅力あふれる33のテナントによって構成されている。内装デザインは、シャープな外観と対比させ、石や木などのオーガニックな部材を使用した暖かみのあるインテリアをフロアごとに展開、多数の椅子が配置されているのも利用者に優しい。また、高さ約35mの6層吹き抜けのアトリウムは、中央を貫く大柱を中心に、「COREDO日本橋」のシンボリックな空間となっている。
- ◆1662年
- 白木屋呉服創業
- ◆1958年
- 東急百貨店が白木屋を合併
- ◆1999年
- 東急百貨店閉店(336年の歴史に幕を閉じる)
- ◆2004年
- 3月30日「COREDO日本橋」開業、全館グランドオープン
- ◆2004年
- 2004年 9月 4日 東京販売士協会商業施設視察会を実施
● 階別案内
- ◆B1F◆
- 地下鉄コンコースからのオフィスワーカーのメインエントランスともなる。テイクアウトを中心とした、カフェ・デリカテッセン・フードマーケットが街角の路面店のように並ぶ。
- ◆1F◆
- 5mを超える天高を活かしたグランドフロア。日本橋のマーケットを意識したこだわりのファッション店舗が揃う。なお、タカラがはじめて直営店を出店。
家族へ向けた遊び心いっぱいのライフスタイルグッズをセレクト。 - ◆2F◆
- ヨーロッパの石畳をイメージしたモザイクパターンが特徴的な空間デザイン。フィレンツェで40年の歴史を持つバック、ファッションショップが日本で初めて本格展開するなど、専門店を配置したフロア。
- ◆3F◆
- 1フロア約700坪にソニープラザが展開する新コンセプトの大型店舗。
- ◆4F◆
- 日本橋の地にふさわしい本格的な和・洋・中の料理が楽しめる飲食店が勢揃い。新業態、地方とのコラボレーションといった食の質にこだわるフロア。
- ◆コレド日本橋アネックス◆
- 都市の中のオープンスペースとして、6mを超える樹木と段差を利用した憩いの広場。スペインの名店「サン・パウ」が初めて海外進出したことも話題。レストランウェディングにも対応でできる他目的スペース。
● 当日のスケジュール
- ◆14:10~14:40
- 説明:「コレド日本橋及びその位置付けについて」
三井不動産株式会社ビルディング本部オフィスマネジメント部
日本橋オフィス 所長 水元 潔氏 - ◆14:40~15:10
- 施設視察
解説: 三井不動産株式会社ビルディング本部オフィスマネジメント部
日本橋オフィス 所長 水 元 潔氏
三井不動産株式会社商業施設運営部運営グループ
副主事 岩 下 爾氏 - ◆15:10~16:10
- 自由視察
- ◆16:15~16:50
- (視察会を終えて)ディスカッション