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東京販売士協会事務局

平成17年2月19日(土)東京商工会議所ビル4階の特別会議室Sにおいて東京販売士フォーラムを開催しました。この東京販売士フォーラムは協会メンバー相互の議論と研鑚を目的として年に1~2回開催しています。今回は「地域活性化における商業集積の役割」(<事例研究>東京亀戸「サンストリート」)というテーマで、株式会社ウエルウエスト代表取締役の大西直良氏を講師にお招きして開催しました。参加者は19名です。
講師の大西先生は、東京海上火災保険会社において永年にわたりオフィスビルを中心とする不動産開発・建築・賃貸・管理などの業務を担当され、不動産部部長等を歴任されました。その間、数々の開発を手がけられました。東京都江東区亀戸の商業施設「サンストリート」を開発、運営されるにあたり、株式会社タイムクリエイト代表取締役に就任され、新しい形のショッピングセンターとして全国的に注目を集められました。
その後、平成13年、株式会社ウエルウエストを設立され、代表取締役として、活性化する商業施設の開発、既存商業施設活性化の実務コンサルティングを行うとともに、地域における新たな賑わい演出・集客戦略の提案・政策を行っていらっしゃいます。

平成16年度フォーラム交流会写真1
平成16年度フォーラム交流会写真2

大西先生の講演の概要は以下のとおりです。

1.地域共生型SC(ショッピングセンター) ~地域活性化に貢献するSC~

将来、過去を振り返ってみたときに今は大変革期であったと見られるのではないかと思えるくらい、大きな変化が起こっています。商業を取り巻く環境は、個人消費の低迷など依然として厳しく、大型店の激しい競争そして倒産という事態に繋がっています。

そのような状況の中、SCのニーズは高まっており、SCの数は増加し、大型化しています。
SCと百貨店・スーパーとの違いは、SCは自ら小売り等を行うのはなく、テナントの運営管理を行う形態であり、商店街と同じであると考えています。 地域と共生する、地域コミュニティの核機能を備えたSCが今、求められています。

2.地域共生型SC 事例研究:サンストリート

実際に開発・運営に携わった東京亀戸の「サンストリート」についてお話します。

開発からオペレーションまで、一貫して「地域」というものをどのように考えていくかが大きな課題でした。土地活用についての基本方針は地域の活性化であり、東京都副都心計画地であることを踏まえ、検討を重ねた結果、地域と共生するための「賑わい」を演出することになり、「賑わい」=SCということで、SCを開発・運営することとなりました。SCの基本コンセプトは「次世代商店街」「ランブリングマーケット」で、都内初の2階建てオープンモールとしました。どこからでもお客様に入っていただけるように出入り口を9箇所設け、そしてS字型の道と広場が「街」を演出し、人々が集え、楽しめるような街の広場・公園になるよう考えました。

1997年11月にオープン以来、売上は好調を維持しています。年間500本のイベントを企画、実施しています。イベントで賑わいの演出はできても、テナントの売上に直接繋がるわけではありません。やはり最も重要なのは、個々のお店の魅力であり、SCとしての総合的な安全性、信頼性です。イベントで演出した「賑わい」をどう活用して売上につなげるかが大きな課題です。

地域共生型のSCを運営するには、本気で、地域の一員として取り組む姿勢を持ち続け、開発から運営まで一貫した対応が不可欠です。

3.地域と一体となる「ことおこし」(日常の運営における地域共生SCの実現)

「ことおこし」を推進するために大切なことは、DV(デベロッパー)が地域社会の一員として行動することです。一時的な集客イベント、一過性のイベントで終わることの無いように、大きく育つ、継続していく仕掛けづくりが必要です。そしてSCが地域の交流拠点となるようにネットワークを構築し、コミュニティを大切にしていかなければなりません。

お金をかけて行う一過性のイベントではなく、地域行事の共催や文化活動のサポート(会場の提供など)、そして住民が楽しく参加できるような環境づくりを推進することで、地域と共生することになります。

例えば、高円寺の阿波踊りは有名ですが、最初は商店街のイベントであったものが、多くの人たちの努力により街の祭りとして発展しました。
キャンペーンや賑わい演出のイベントは一過性ですが、地域住民との共生イベントであれば、繰り返し行われることにより、ファンが生まれ大きく育っていくことになります。

4.地域共生SCの実現

地域共生SCを実現するためには、開発と運営の一貫したコンセプトが重要です。建物設計からテナントミックス、オペレーションまで、抽象的な言葉のコンセプトでなく、具体的な内容を伴ったコンセプトづくりが大切です。

住民と共生する運営をするためにはDV自らが汗をかく、現場が権限を持った運営をする、住民と太い絆を構築するといったことが重要です。マニュアルで運営をするのでは決して住民との共生はできません。

地域共生SCはDVの意識こそが重要です。魅力ある店舗による賑わいが地域に愛されるSCとなり、そして地域社会の一員としての責任を果たすことが地域のSCなります。さらに計画的なコミュニティの拠点機能として一過性の販促ではない「ことおこし」を推進することで、地域と共生するSCなるのです。

平成16年度フォーラム交流会写真3

活発な質疑の後、引き続き、会場を移して大西先生を交えた交流会を開催しました。小柳会長のご挨拶の後、熱心に大西先生と意見交換するメンバーも数多く、和やかに交流会が行われました。