会員のための交流・親睦会

「HAPUの会」議事概要 ~平成17年度「販売士討論会&交流会」に向けて~

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東京販売士協会

毎年開催している「販売士討論会&交流会」を今年度も10月に開催いたします。
そこで、開催にあたり、議題等の検討を行うべく、販売士討論会の主要メンバーで構成されるHAPUの会(販売士のパワーアップを図ろう会)が3月に開催されました。会員の皆様に是非、10月の討論会にご参加いただきたく、検討された内容をここにご紹介させていただきます。
まず、「HAPUの会」を開催するに当たり、事前に菅原・財津常任理事より“これからの「販売」のあり方について”というタタキ台を作成いただきました。
その内容について簡単にご紹介いたします。

1.IT技術の進展とその影響

・膨大な資料の有効活用による高度な知識と情報スキルの向上
・IT業務の多様化・迅速化・システム化の進行
・システム連携が商売のポイント
-反面-
・資料の氾濫と選択肢の多様化
・画一性による個性化発揮の難しさ 
・ヒューマンスキルの応用の場の縮小化
・人間性を発揮した商売のしづらさ(ハード・ソフト・ハートの組合せ)

2.感動体験の欠如(感動を呼び起こすには)

・困難や逆境に挑戦して営々と取り組んでいる人間の姿
・一見不可能と思えることを可能にした時の「爽快感」や「達成感」
・夢や目標に向かって必死に取り組む熱い思いが人の心に訴える時 等々

3.システム連携の成功事例

・群馬・栃木の温泉宿の活性化研究 等
上記の説明を参考にしながら大略、下記のような討論が行われた。

●1、昨年のHAPUでは時間の割りにテーマが多いと感じた。また各年令階層の人がいるため、中
にはテーマに外れた意見もあったリしたが、フランクで活発な論議であった。

●2、感動体験に興味がある。(事例:メリーチョコレート原邦生社長の感動体験の話)
お客に感動を与える店はお客とのパイプを持っている。そこを掘り下げると、お店がお客に対してどうしたら良いかが学べるのではないか。

●3、販売士の受験者と合格者は中堅以上の企業のサラリーマン社員が多く、小売販売の体験を持たない人が比較的多いが、試験が出来ただけでは実践では役立たない。販売士になったことをベースにして実体験を積み、応用知識を適材適所にどう発揮するかが重要だ。

●4、Sさん(宇都宮ホームセンター勤務)の体験談
上司に意見を述べても中々通らない。それに対する悔しさもあり二級販売士を取得。目下、一級を目指し勉強している。ただ会社はDIYアドバイザーの資格を奨励しているので、どちらを先にするかとの迷いもある。(これに対し、販売士は自分を磨く資格であり、会社が認める専門分野のDIYアドバイザー資格を習得した上で、プラス販売士であれば会社に対し意識付けされるのではとの意見あり。)

<コミュニケーション能力について>
●5、知識を習得するインプット能力は勿論大事だが、更にそれを応用発揮出来るアウトプット能力を磨くことが相互信頼には不可欠。特に販売士は、相手に自分をよく知って貰うコミュニケーション能力を養うことが大切である。

●6、これから高齢化社会に向かうことを前提に考えると、コミュニケーションの取り方の一つに“聞き取れる声で話すこと”が販売する人には重要になるのではないか。例えば、呼吸法を身につけ、息の濃度を濃くし無駄なく息を吐く呼吸法を身につけると、声が大きくなり、高齢者にもわかる話し方になる。他にもストレッチや呼吸法を身につけ、発声することで良いことがある。例えば音読することも脳を活性化し体にもよい。

●7、現在の情報化時代では、「価値ある情報(シグナル)を発信出来る人材」を求めている。顧客は「シグナルを発信出来る店」を求めている。→信頼出来て役に立つ情報であることが、ますます重要になってくる。

●8、「東横イン」はまさにそんなホテル。支配人は全て女性で対象はビジネスマン。女性は宿泊しやすく、男性には家庭的。価格は安く設定し、細やかな心配りのあるサービスをしている。帰宅した頃合いを見計らって、アフターフォローのメールをするなど、仕掛けに工夫や努力が見られる。競合店に事前に泊まり違いを掴む。地元地域へは場所の提供なども心掛ける。

●9、日本人は創意工夫や独自性を養うといった「匠の技術」がある。これからは異質のもの同士が融合し合い、連携し合って新しい価値あるものを創造していくことが必要であり、その意味で実践経験を持つ販売士同士のパワーアップが求められている。

<システム連携の成功事例>
●10、-群馬・栃木の温泉宿の活性化研究―
5千円以内で一泊ニ食送迎サービス付で大好評であり、その事業システムを可能にしたものは何か?(10月の討論会前に実地調査に出かけてみるのも一案)

●11、 ホテル「はたごや」も田んぼの中にありながらも明確なコンセプトで成功している。

●12、「クイーンズイセタン」にもコンセプトがあり成功している。客層を選び、どこにでもある商品は扱わない。その結果「クイーンズイセタン」の入っているビルの上層階マンションにはハイクラスの住民が集まる。

<販売士の今後の活動について>
●13、販売経験の無い販売士が個店の診断をするのは難しい。「販売士のいる店」のステッカーが貼ってある店にお客は何を期待するのか?販売士は直接販売をする人であり、仕入れ、販売計画も行う。「DIYアドバイザーのいる店」とか「シューフィッターのいる店」ならハッキリわかるが、「販売士のいる店」の目的がわからない。

●14、コンサルタントは資格というよりその人の持つ実力を相手が認めて依頼するので、十年以上従事している販売士もいれば、Kさんのように大学の助教授になる人もいる。

●15、商工会議所は試験で販売士を合格させていくだけでなく、販売士の活動の場の情報提供を考える事も必要だ。

以上の意見をもとにまとめとして

<販売士が公共の場で認知され活躍するため>

・講師登録者(日本販売士協会)を集めて意見を聞く。
・販売士の会合にサラリーマンの出席者が多くなる事を望む。
・年齢を重ねていく販売士を生かせる道をつくる。
・企業販売士(サラリーマンで販売士の資格を持つ人)の活躍の場を積極的に作ることを協会として考える必要がある。
・販売士協会の会員の多くが企業販売士であり一番多く会費も納めていると思われる事から、その方々のために協会として提供できるサービスを考えるべきか、と考える。(検定試験を実施し資格を持たせるだけではなく)

<記 菅原資子・財津永量>

※3月29日「HAPUの会」出席者
財津 永量、菅原 資子、加藤 真由美、安則 久雄、岸本 徹也、齋藤 利行、有年 義彦、堀川 雅弘