「小売業の万引き防止対策セミナー 利益に直結するロス対策~ロスプリベンションと在庫管理~」参加レポート
皆様こんにちは、東京販売士協会会員の田中と申します。先日7月24日、神田にて「小売業の万引き防止対策セミナー 利益に直結するロス対策~ロスプリベンションと在庫管理~」に参加致しました。
私は主にファッション販売員として店頭に立っておりました。現在は最前線を離れておりますが、夫がアパレルメーカー勤務なので流通や販売の話は日常茶飯事。そのため今回防犯のお話は、知識のアップデートを兼ねたく興味深々でした。
「ロスプリベンション」とはこれまでの「ロス対策」と比較し、事が起こってから対策するのではなく未然に防ぐもので、ロスを「無くす」よりも「最小限にする」など概念が異なるもので、海外では既に取り入れられているのだそうです。このご教授でご登壇頂いた「ロス防犯士」であり全国万引犯罪防止機構の理事・近江 元氏によると、最も相手に有効な対策は「相手に全身の姿を見せること」と「声かけすること」であると再確認ができました。お客様へのアプローチである反面、見ていますという釘刺しであり、万引きの抑止力になるのが最大の理由です。
販売の現場では、残念ながら「…やられた。」と悔しい思いをすることがあります。以前私の勤務先の店が、改装したのに死角が多くなってしまった事がありました。問題発生が重なってしまったとき、先輩と共に様々な提案を何度も店長に持ち掛けたことも。経費がかかることは却下される。またその理由には上司のこだわりから、キレイな商品陳列に防犯対策は、カッコ悪いから施したくないという訳もありました。
また私が接客をしている最中、「退勤時間だから帰ってもいいかしら?」とお客様に分かるような聞き方をしてくるスタッフがおりました。それは周辺に「この店これからスタッフが少なくなり、万引きしやすい環境になりますよー」と告知しているようなもの。改善を求めても分かって貰えず、ほとほと困り先輩や店長に相談することに(解決しませんでした)。
さらに最近の出来事をお話すると、リサイクルショップで店内の商品整理の短時間アルバイトに行ってみた時のこと。人手不足から店員は少なくカウンター業務をこなすのが精一杯で、店内巡回が殆どできない。バイトで人を配置し、多少でも防犯も兼ねているのか…と、苦しい現状を目の当たりにして帰って来ました。
このように、上司をはじめとするスタッフの志気や人手不足など様々な細かい事情が改善しなければ、相手の目の前での声掛けも防犯対策も進まないという現場が、他にも多くあると思われます。しかしながら「全身を見せる」位置関係からの「声掛け」は、相手に刺さる千古不易のロス対策であることは確かです。何とか実現・継続させ、結果皆様がロス減少や増益など、数字で成功と喜びを感じて欲しいと願ってやみません。そしていつか「カンブリア宮殿」に出てください。楽しみにしております。