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東京販売士協会 副会長 松崎 香澄

東京販売士協会では、毎年東京都内の商業施設の視察会を実施している。今年度は、去る3月8日(土)に、開業25周年を迎える昭島の「モリタウン」を視察した。当日は、昭島駅に集合してから「モリタウン」を訪問し、昭和の森総合サービス(株) の高橋佐登志社長より昼食会も挟んでSC同士の競争激化の中、生き残りを賭けた戦略について貴重なお話を伺った。以下、そのポイントについてここにご紹介する。

モリタウン視察会写真1

飲食店街(星の道)のオープンモール

●環境変化に応えて成長を図ってきた

モリタウンは、1984年4月に「エスパ」を核店舗として60の専門店を有するオープンモール型のSCとして開店した。当時は、昭島駅の北口もない時代で周囲に大型SCもなく、業績は順調に推移してきた。しかし、2004年以降は商圏内に大型SCが続々と開店し周囲の商業環境は大きく変化した。
そこで、モリタウンは、東館の新設、本館のリニューアル、シネコンの新設、「よしもとゲームアミュージアム」を開設した。テナントも152店となりお買物の要素に遊びの要素も付加して、一日中楽しめるLSCへと成長を図ってきた。

●選択と集中による具体的な戦略の実施

このように、環境変化に対応すべくハード面では完成型となったが、それらを活かすソフト面でも最も競争が激しい立川駅周辺との明確な差別化戦略がとられている。
その第1は、対象市場を30代から40歳代の子育ての家庭に絞込み、「おしゃれは立川」、「普段着はモリタウン」というコンセプトを掲げて競合しない棲み分けを図っている。店内の通路幅を広く確保して、ベビーカーがゆっくりと移動できるような気配りも見られる。
第2はフードコートである。最近は消費者の個性化が進み、4人家族がそれぞれ異なるものを食べる傾向にある。そのような場合、フードコートは、家族連れが食事をしながら一日を楽しめるLSCの重要な施設のひとつである。
第3は販促策である。「モリタウンカード」というポイントカードがあるが、特筆すべきは、「モリタウンキッズカード」である。これは、小学生以下の子供に発行し、来店の際に1日1回スタンプを押印し、5回でガチャポンにチャレンジできる。これも、再来店を促す有効な施策である。
最後に、テナントの従業員教育に力を入れているのが伺えた。高橋社長は「モノからコトへ」といわれているが、コトをするにはモノがいる。そして、そのモノとコトを繋ぐのが従業員の接客技術であると熱心に述べられた。この社長の一言か強く記憶に残ったのと同時に「販売士」の必要性を強く感じた一日であった。