参加者レポート

「小売事業者と異業種コンサルタントのマッチングによる生産性向上策とは」参加レポート

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東京販売士協会・経済産業省共同開催特別セミナー

「小売事業者と異業種コンサルタントのマッチングによる生産性向上策とは」参加レポート

 

東京販売士協会の佐藤です。興味のあるセミナー内容だったので楽しみにしながら参加してきました。

セミナー会場は東京駅すぐステーションコンファレンス東京でとてもきれいなビルの5F。

エレベーターで行けばいいのに、好奇心の多い私はあえてエスカレーターで各階のフロアーを見ながら会場に到着。

 

 

開始前10分。ほぼ満席状態!この後すぐに満席となりました

 

 

司会進行役

株式会社野村総合研究所

消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部 プリンシパル 松田 真治氏

 

 

取り組みの目的

異業種の製造業ノウハウを活用できるようマッチングし生産性の高・低のギャップが大きい小売業の生産性向上を第1の目的として始まったとのことでした。

ポイントとしてモデル企業様へ製造業のECRS、3定等のノウハウの取り組みを小売業で実施。

 

 

 

生産性向上事例の発表

京セラコミュニケーションシステム株式会社

コンサルティング事業部 サービスサイエンス課 前中 博子氏

 

 

初めに、腕組を促され「組んだ腕を反対に組みなおす。」この簡単そうな一つの動作、でも違和感があるのですぐに元に戻ることが慣れ。これを変化させることが改善と体験しました。

今日は、西川産業(株)様の寝具・寝装品等を販売する直営店舗での取り組み事例をご紹介いただきました。

 

分析方法には、現場に張り付きその場の状況をすべて記述し実際のデータに基づくモデル化(エスノグラフィー)と、ビデオや音声レコーダーで収録し実際のデータを集めることでヒアリングやアンケートではわからない無意識に当たり前になった言動を見つけ出す方法(エスノメソドロシー)を実行。

 

実際にこの2つの分析をスライド、ビデオで紹介いただきましたが非常に時間のかかる方法ではありましたが、それから得られる分析結果は非常に店頭で接客する販売員には有効。サービスサイエンスを持つことができ、個人の能力だけでなく、だれでも一定レベルのサービス品質が実現できるようになっていました。

 

実際の販売中のビデオを見ることで、どことどこを改善することで何が変わるかが見えている分、言葉で聞くより、文章で読むだけより非常にわかりやすく状況や必要な言動が理解できます。実際に私、セミナー参加者でも「できるかも?」と少し思ってしまいました。

 

 

生産性向上事例の発表

日産自動車株式会社

日産コンサルティング IPプロモーション部 課長 後藤 敦子氏

 

 

私の自己紹介は時間が無駄なのですぐに取り組み事例の内容に移りますと、最初からドンとアクセル全開で始まりました。

今日は、(株)マイヤ様の岩手の地元スーパーと菅田(株)様のジュエリー店のバックヤード業務の生産性向上の取り組み事例をご紹介頂きました。

まず、(株)マイヤ様の取り組み事例。

 

お店側が思う課題をヒアリングしデリカの売り逃しがたくさんあるなどが判明。それらの現状を把握しすべてを数値で表現。4Mという製造業では当たり前の手法で課題を整理し、KPIを人時売上高にしたいとあったが課題を数値化し把握。店舗内の部門売上比率でどこがよいか?1日の時間帯別・部門別作業と売上高のばらつきを見つけたことで作業を補完できる。

 

「何かを改善しようとしたときに事実がどうなっているか定量的に把握することが大切」

 

作業観察した中で、当初の仮説はデリカの売り逃しに対する改善、KPIは人時売上高であったが、ファクトベースでみてデリカの取り組みでは効果のインパクトは小さい。それよりもグロッサリー部門のバックヤード業務の取り組みに変更し、KPIも見直して労働時間の短縮に変更。

KPIの見直し根拠は「改善の効果を測れないKPIは決めてはいけない!」

「改善は思い込みでなく必ず起こる事実をやる、調べる」とこの言葉を聞いたときはドキッとしながらも、すごく大事なことを教わった瞬間でした。

 

労働時間を短縮できた時間をどう使うかが大切で、削減が目的ではない。その短縮できた時間を取り組み続ける手法や運営に使い、人材育成をしていくことで従業員の品質が上がることでお店の品質も上がり結果収益につながるとも教わりました。

 

 

続いて菅田(株)様のジュエリー店の取り組み事例。

宝石と時計の2種類を扱う店舗はバックヤード業務の負荷が多いということで現状を把握し数値化。人を見ていない業務が多くサービスが低い。こんな現状の中で接客ができるのか?KPIは人時売上高と要請はあったが、接客率を上げることに置き換えて取り組みを開始した。

 

取り組みの焦点は、事務処理をいかになくすか。ECRSの考え方で重複している業務をなくしたり、手計算をPCで代替することで短縮したりすることに取り組み、接客時間の増加につなげた。

 

 

 

セミナー終了後の名刺交換

日産自動車株式会社

日産コンサルティング IPプロモーション部 課長 後藤 敦子氏

 

 

京セラコミュニケーションシステム株式会社

コンサルティング事業本部室責任者 シニアコンサルタント 堀 直樹氏

 

 

生産性向上に向けた今回のセミナーは非常に有意義なもので、小売業に身を置く私の中では初めて聞くような考え方が刺激的で新鮮に聞けました。

4M・ECRSの考え方は生産向上のみならず応用範囲が広く起こっている課題可決などにも適用でき、セミナーへ参加してよかったと思えました。

厚生省の進める「働き方、休み方改革」ともピッタリのタイミングで今まで以上のスピードと変化を求められる環境下の中でこのセミナーへ参加できたことありがたく思います。

 

 

日時:平成29年3月1日(水)19時00分~

場所:ステーションコンファレンス東京 503-AB

 

プログラム

1. 本事業の主旨説明

2. 生産性向上事例の発表

3. 生産性向上事例の発表

4. フリートーキング

 

主催:東京販売士協会、経済産業省

事務局:株式会社野村総合研究所